- 6月 1, 2026
新しい肺炎球菌ワクチン
秋から冬にかけて多忙のため、3月末から学会シーズンで毎週末のように学会(ほとんどオンラインですが)があり、更新できておりませんでしたが、少しづつ再開したいと思います。
今日は肺炎球菌ワクチンのお話です。
肺炎球菌ワクチンを受けた方がよい方
肺炎球菌は肺炎の原因菌として最も多い細菌の一つです。また肺炎だけでなく、菌血症や髄膜炎などの重篤な感染症を引き起こすこともあります。
特に高齢者や持病のある方では重症化しやすいため、ワクチンによる予防が重要です。
65歳以上の方
65歳になると、市町村による高齢者肺炎球菌ワクチンの公費助成の対象となります。
肺炎は高齢になるほど重症化しやすく、入院や要介護状態のきっかけになることも少なくありません。そのため、65歳以上の方は肺炎球菌ワクチンの接種を積極的に検討することをおすすめします。
また、以前にニューモバックスNP(PPSV23)を接種したことがある方でも、1年以上経過している場合はプレベナー20(PCV20)やキャップバックス(PCV21)による追加接種を検討する価値があります。
65歳未満でも接種を検討したい方
肺炎球菌感染症のリスクが高い方では、65歳未満でもワクチン接種が推奨されています。
1.免疫力が低下している方
以下のような方では、肺炎球菌感染症が重症化しやすいことが知られています。
- HIV感染症
- 原発性免疫不全症
- 血液腫瘍
- がん治療中
- ステロイド内服中
- 免疫抑制薬や生物学的製剤を使用中
- 臓器移植後
- 造血幹細胞移植後
2.脾臓を摘出した方、脾機能が低下している方
脾臓は肺炎球菌などの莢膜を持つ細菌から体を守る重要な臓器です。
脾臓を摘出した方や脾機能が低下している方では、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)のリスクが大きく上昇するため、ワクチン接種は特に重要です。
3.慢性心疾患のある方
- 慢性心不全
- 狭心症
- 心筋梗塞後
などの慢性心疾患がある方では、肺炎を契機に心不全の悪化や入院につながることがあります。
循環器疾患をお持ちの方にとって、肺炎予防は心臓を守ることにもつながります。
4.慢性呼吸器疾患のある方
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 気管支喘息
- 気管支拡張症
- 慢性呼吸不全
などの方では、肺炎によって呼吸状態が急激に悪化することがあります。
特にCOPD患者さんでは肺炎による増悪が生命予後に影響するため、ワクチン接種が推奨されています。
5.慢性腎疾患のある方
- 慢性腎臓病(CKD)
- 透析治療中
- ネフローゼ症候群
などでは免疫機能が低下しやすく、肺炎球菌感染症のリスクが高まります。
6.糖尿病のある方
糖尿病では感染症全般にかかりやすくなり、重症化リスクも高くなります。
血糖コントロールが良好な方でも、肺炎予防の観点からワクチン接種が推奨されています。
7.慢性肝疾患のある方
- 肝硬変
- 慢性肝炎
などの方も肺炎球菌感染症の重症化リスクが高いとされています。
8.髄液漏や人工内耳がある方
髄液漏や人工内耳などの解剖学的な要因がある場合、肺炎球菌による髄膜炎のリスクが高くなるため、ワクチン接種が推奨されています。
このような方は一度ご相談ください
- 心臓病や肺の病気がある
- 糖尿病や腎臓病がある
- がん治療中である
- 免疫を抑える薬を使用している
- 以前ニューモバックスNPを接種したことがある
当院に通院中の方が多い心疾患の方は是非ご検討いただきたいです。
以前公費で打った方も注意ください。去年までの公費補助の対象だったニューモバックスNPは、良いワクチンではありますが、効果がながつづきしません。1年以上たっている場合はプレベナー20(PCV20)やキャップバックス(PCV21)の接種をご検討ください。