- 9月 15, 2025
MRA(Mineralocorticoid Receptor Antagonist:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)
心筋梗塞後のスピロのラクトンMRA(Mineralocorticoid Receptor Antagonist:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)
代表薬:スピロノラクトン、セララ、ミネブロ
作用:体内の“塩分と水分をため込ませる”ホルモン(アルドステロン)の働きを弱め、心臓や血管の負担・炎症・線維化を抑えるお薬。
期待される効果:心不全の悪化や死亡リスクの低下。特に心筋梗塞後で左室機能が落ちた方に有効性が示されています。
一般的にスピロノラクトンが使用されていることが多いです。
理由は値段が安いから、また適応症が広いからです。
セララ(エプレレノン)は朝夕2回の薬ですし、腎機能障害では使いにくいです。
ミネブロは高血圧の適応しかありません。(だいたい高血圧が合併しているので問題ないとも言えますが・・・)
MRAはファンタスティック4の1つにも数えられ、心不全治療薬として欠かせないお薬になっています。
心筋梗塞後は薬が増える!
心筋梗塞は「心臓の血管が詰まり、心筋がダメージを受ける病気」です。治療で血管を再開通できても、再発予防と心臓の保護がとても大切です。
そのため、多くの方に複数の薬が組み合わされます。これが多いんですよね。
① 血液をサラサラにする薬(抗血小板薬)
- 代表:アスピリン、クロピドグレル、プラスグレル(エフィエント)
- 血管に再び血栓ができないようにするための薬です。
- PCI(ステント治療)後は2種類を一定期間組み合わせます。
② 心臓の負担を減らす薬(ACE阻害薬・ARB・ARNI)
- 代表:エナラプリル、イルベサルタン、サクビトリル/バルサルタンなど
- 心臓を守り、心不全や再発のリスクを下げます。
- 最近はサクビトリル/バルサルタン=エンレストを使うことが多くなりました。
③ 心臓を安静にする薬(β遮断薬)
- 代表:ビソプロロール、カルベジロールなど
- 心拍数を整え、心臓の酸素消費を減らし、再発や不整脈を防ぎます。
④ 余分な塩分・水分を減らす薬(利尿薬)
- 代表:フロセミド、トラセミドなど
- むくみや息切れを和らげ、心不全をコントロールします。
⑤ 心臓を守る追加薬(MRA:抗アルドステロン薬)
- 代表:スピロノラクトン、エプレレノン
- 心臓の線維化や悪化を防ぎ、再入院や死亡率を下げることが証明されています。
⑥ コレステロールを下げる薬(スタチン)
- 代表:アトルバスタチン、ロスバスタチンなど
- LDLコレステロール(動脈硬化に関係する悪いコレステロール)を下げ、再び血管が詰まるのを防ぎます
今まで全く薬を飲んでなかった人でも、6個以上(他に胃薬など合わせるとそれ以上)の薬になります。
そんななか、最近心筋梗塞後にこの薬をほんとに続けないといけないの?という見直しの研究がなされるようになりました。
今回はMRAについてです。

絶対的値はちいさいものの、やはり全死亡を減らし、心不全の悪化を防ぐ効果があるようです。
やはり中止せずに続ける方がいいようですね。
ちかじかケレンディア(フィネレノン)も心不全に適応が通る予定で選択肢がふえます。
やはり心臓病後には、内服継続、リハビリ継続が大事といえます。